少子高齢化が進む現代、終活に対する考え方や選択肢も大きく変わりつつあります。
「葬儀」「供養」「お墓」の在り方は多様化し、従来の形式にとらわれない選択肢が広がっています。
以前は当たり前とされていた盛大な葬儀や伝統的なお墓が、今では家族葬・自然葬、永代供養・墓じまいといった、現代の家族構成や価値観に合った形式にシフトしつつあります。
例えば
- 自分の葬儀や供養をどうしたらいいのかわからない
- 家族に負担をかけたくないけど、何を準備すればいい?
現代の多様な葬儀・供養・お墓の選択肢がわかる
自分や家族に合った形式を具体的に検討できます。
家族との話し合いがスムーズになる
エンディングノートや終活の話し合いを始めるきっかけが作れます。
本記事では、最新のや準備のポイントを分かりやすく解説し、家族が困らないために考えておきたいことを具体的にご紹介します。
現代の終活事情:変わる葬儀・供養・お墓
葬儀の多様化
昔は一般葬が主流でしたが、今では家族葬や直葬といった小規模な葬儀が増えています。
葬儀形式の違い
葬儀形式 | 特徴 | 費用相場(目安) | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|---|
一般葬 | 親族・友人・近隣住民など幅広い参列者が集う | 150~300万円 | 社会的礼儀を重んじる | 費用・準備の負担が大きい |
家族葬 | 親しい家族・親族のみで行う小規模な葬儀 | 30~100万円 | 負担が少なくアットホームな雰囲気 | 外部の理解を得られない場合がある |
直葬 | 通夜・告別式を行わず火葬のみを行う | 15~30万円 | 費用が安く手続きがシンプル | 宗教儀式が不要か確認が必要 |
オンライン葬儀 | 遠方の人も参加できるよう、葬儀の様子をオンラインで中継 | 5万~30万円 | 物理的に参加できない親族も参列可能。 | インターネット環境が必要、準備に注意が必要 |
お葬式がめんどくさいと思うのは、私だけじゃないはず・・
一般葬とは?
親族だけでなく友人や知人など広い範囲の参列者を招く葬儀。
通夜、告別式を行い、従来の形式に沿った儀式が特徴です。
家族葬とは?
親族や親しい友人だけで執り行う小規模な葬儀。
一般参列者を招かず、プライベートな雰囲気で行います。
直葬(火葬)とは?
通夜や告別式を行わず、火葬のみで故人を送る簡素な葬儀形式。
経済的負担が少なく、手続きも簡略です。
オンライン葬儀とは?
遠方にいる親族や友人も参加できる葬儀。
葬儀場からの中継やメッセージを送るなど、新しい葬儀のスタイルとして注目されています。
現代の葬儀選びのポイント
家族葬や直葬は、小規模で費用を抑えられるため人気が高まっています。
また、コロナ禍以降はオンライン葬儀も普及し、遠方の家族も参加しやすくなりました。
自分や家族に合った葬儀スタイルを早めに検討しておくと、残された家族が困らずに手続きが進められます。
供養の選択肢が増加
少子高齢化で、従来のようにお墓を代々引き継ぐことが難しい家庭が増えています。
こうした背景から、以下のような供養の形が選ばれることが多くなっています。
主な供養方法
供養方法 | 特徴 | 費用相場(目安) | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|---|
永代供養墓 | 寺院や霊園が管理し、供養を永続的に行う | 30~100万円 | 継承者が不要 | 個別供養の期間に制限がある場合あり |
樹木葬 | 遺骨を土に還し、樹木を墓標として自然と一体化させる | 10~50万円 | 自然志向で管理が不要 | 墓参りのしやすさを確認する必要あり |
海洋散骨 | 遺骨を粉末化して海に撒く | 10~30万円 | 環境に優しく費用が抑えられる | 法律・マナーを守る必要がある |
手元供養 | 遺骨を手元に保管(ペンダントやオブジェなど) | 5~20万円 | 気軽に遺骨を身近に感じられる | 遺骨の扱いに家族間で意見が分かれる |
永代供養墓とは?
霊園や寺院が一定の期間、管理・供養をしてくれる供養方法です。
親族の負担を減らせることから、特におひとり様や後継者がいない方に人気があります。
樹木葬とは?
自然の中での供養を望む方に選ばれています。
遺骨を樹木や花の根元に埋葬し、自然と共に眠る形式で、環境への配慮もあり今の時代にマッチした供養方法です。
海洋散骨とは?
海に遺骨を撒き、自然に還す方法です。
後継者の負担がなく、簡素な供養を希望する方に適しています。
私の叔父は「海洋散骨」だったので、その後のめんどうがなかったのが正直な感想・・
手元供養とは?
遺骨の一部をペンダントや小さな骨壺にして、自宅で供養する方法です。
場所を取らず、身近に故人を感じたい人に適しています。
新しい供養を選ぶポイント
伝統的な墓参りが難しい家庭でも、永代供養や樹木葬は人気の選択肢です。
家族に後継者がいない場合や、故人のそばで供養をしたいときは、手元供養も検討してみると良いでしょう。
お墓の新しい形:合葬墓や墓じまい
お墓の管理が難しい場合や、無縁墓の心配がある場合には、墓じまいや新しいお墓の形を考慮する人も増えています。
新しいお墓の選択肢
お墓の形式 | 特徴 | 費用相場(目安) | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|---|
合葬墓 | 複数の遺骨を一つの区画にまとめて埋葬 | 5〜50万円 | 費用が抑えられ、後継者がいなくても安心 | 個別の墓標がないため、墓参りの実感が薄れることも |
墓じまい | 既存のお墓を撤去し、遺骨を別の場所へ移す | 30〜100万円 | お墓の管理が難しくなった場合の有効な手段 | 費用がかかる場合があり、移転先の供養方法も考慮する必要がある |
墓じまいの注意点
墓じまいには費用や手続きが必要ですが、最近は専門のサービスも増えています。
無縁墓になるリスクを避けたい方は、永代供養や合葬墓も検討し、家族と相談して決定するのがおすすめです。
墓じまいの必要性が増加
墓じまいとは、先祖代々のお墓を撤去し、遺骨を別の場所に移す手続きのことです。
少子高齢化により、後継者がいない、または墓参りが難しい家庭が増え、墓じまいを選択するケースが増えています。
項目 | 内容 |
---|---|
墓じまいを選ぶ理由 | 少子化・遠方居住・管理負担の軽減 |
必要な手続き | 管理者への相談、閉眼供養、行政手続き、撤去工事など |
費用相場 | 10~50万円以上(撤去工事費や新しい供養先の費用を含む) |
墓じまい後の選択肢 | 永代供養墓、納骨堂、樹木葬など |
注意点 | 管理者との話し合い、近隣への配慮、手続きの漏れがないか確認 |
先祖代々のお墓を、今後も維持できる経済的・親族等の関係があれば・・でも個人的には、子どもに重荷を背負わせるイメージがぬぐえません。
- 墓じまいを行う際には、必ず 改葬許可証 を取得する必要があります。
- これを役所で手続きせずに進めてしまうと、トラブルになる可能性があるため、注意が必要です。
- 墓じまいは心身ともに負担がかかる作業ですが、事前に情報を収集し、適切な業者や専門家に相談することでスムーズに進めることができます。
専門家に相談するのが、安心ですね
葬儀や供養、お墓に関する希望を事前に把握しておくべき理由
葬儀・供養・お墓について具体的な情報をもっていないと・・・
- 短時間で決断を迫られてしまうことがあります
- なにを選ぶべきか?(たとえば、一般葬または家族葬)
- どれくらいの費用がかかるのか?(たとえば、お墓を維持したら年間いくらか)
その結果、思わぬ負担や後悔が生じるケースも少なくありません。
せかされて、良く分からないまま決めてしまうんですよね・・
あの雰囲気に飲み込まれちゃう
残された家族が直面するのが葬儀や供養、お墓の手配です。
多くの家庭で準備不足のまま突然この場面に立たされ、時間的な制約や精神的負担の中で決断を迫られることになります。
それらを防ぐために
葬儀や供養、お墓に関する希望を事前に把握することは、遺族の精神的・経済的負担を大幅に軽減するだけでなく、自分らしい最期を迎えるための重要なステップです。
そのステップをご紹介します。
葬儀や供養、お墓に関する情報を調べる
信頼できる葬儀社や霊園の資料を取り寄せたり、見学に行ったりして情報を集めましょう。
また、以下のような無料相談会や説明会に参加するのもおすすめです。
- 葬儀社のセミナー
- 墓じまい相談会
- 永代供養墓や樹木葬の見学会
エンディングノートを活用して希望を記録する
エンディングノートに以下のような項目を書き出しておくと、家族にとって大きな助けになります。
- 希望する葬儀形式(例:家族葬でシンプルに)
- 供養方法(例:樹木葬や永代供養墓を希望)
- お墓についての考え(例:墓じまいを考えている)
- 費用の目安(例:全体で50万円以内に抑えたい)
家族と具体的な話し合いを始める
終活の希望を家族に共有することが大切です。
突然の別れが訪れた際に家族が悩まないよう、日頃から希望を話し合っておきましょう。
- 自分がどのように見送られたいか
- 葬儀やお墓についての具体的な希望
- 遺族の負担を軽減するための考え
まとめ:現代の終活は「多様化」に対応する準備がカギ
少子高齢化やライフスタイルの変化により、現代の終活は一人ひとりに合った多様な選択肢を考える必要があります。
事前に種類や費用を把握希望を明確家族の負担(精神的・経済的)を軽減
- 葬儀形式を小規模なもの(家族葬や直葬)にする
- 事前に複数の葬儀社や霊園から見積もりを取る
- 不要なオプションや過剰なサービスを避ける
- 自治体が提供する公営霊園は民営よりも費用が抑えられることが多い
最適な終活のために
葬儀や供養、お墓に関する情報を調べる
エンディングノートを活用して希望を記録する
家族と具体的な話し合いを始める
「亡くなった時の話をするなんて、縁起でもない!」と言う方もいらっしゃいますが、希望を聞ける良い機会なのですよね。
終活は、未来の安心を作る第一歩です。
ぜひこの記事を参考に、自分に合った終活プランを考えてみてください
- 終活を始めるタイミングはいつが良いですか?
-
終活は50代から始める人が増えています。
早めに準備することで、家族との話し合いの時間が持てたり、希望に合った選択肢をじっくり検討できたりします。
また、体力や判断力に余裕があるうちに行うことで、後悔のない準備が可能です。
- 樹木葬や永代供養墓にはどんなメリットがありますか?
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樹木葬は自然志向の人に人気で、環境に優しく維持管理が不要です。
また、永代供養墓は継承者がいなくても寺院や霊園が管理を引き継いでくれるため、少子化時代に適した選択肢です。
どちらも費用が比較的安価で、従来のお墓に比べて負担が少ないのがメリットです。
- 墓じまいをする際の注意点は?
-
墓じまいには、墓地管理者への相談や行政手続き、閉眼供養(お墓の魂を抜く儀式)などが必要です。
また、遺骨を新しい供養先に移す費用や、墓地の撤去工事費用も発生します。
事前に総額を見積もり、親族と十分に話し合ってから進めることが重要です。
- エンディングノートには何を書けば良いですか?
-
以下の項目を書き出しておくと、家族が迷うことなく対応できるでしょう。
- 希望する葬儀の形式(家族葬、直葬など)
- 供養方法(樹木葬、永代供養墓、海洋散骨など)
- お墓についての考え(墓じまいの有無や新しいお墓の希望)
- 葬儀費用の予算や保険情報
- 家族と終活について話すきっかけがつかめません。どうしたらいいですか?
-
「TVで特集してたよ」とか「友人がエンディングノートを始めたらしい」など、ニュースや身近な話題を切り口にすると、自然に話が始まりやすくなります。
また、自分自身の希望を先に話すことで、家族も意見を共有しやすくなります。